瘀血(おけつ)とは?中医学の体質タイプをわかりやすく紹介
「肩こりや頭痛が慢性的に続く」 「シミ・くすみ・クマが気になる」 「生理の血に塊が混じる」
こうした"巡りの悪さ"を感じる日々は、中医学(中国の伝統医学)では「瘀血(おけつ)」というタイプに当てはまるかもしれません。
この記事では、瘀血とはどんな体質タイプなのか、特徴、そして薬膳の視点から親しまれてきた食材やお茶をご紹介します。
※この記事は中医学の考え方をご紹介するものであり、特定の疾病の診断・治療を目的としたものではありません。体調に不安のある方は、医師にご相談ください。
目次
- 瘀血とは?読み方は?
- 瘀血になる原因
- 瘀血タイプに見られる特徴
- セルフチェック — あなたは瘀血タイプ?
- 舌でわかる?瘀血の考え方(特に「舌の裏」がポイント)
- 瘀血と他の体質タイプとの違い
- 気滞血瘀・血虚+瘀血について
- 瘀血タイプに親しまれてきた食べ物
- 瘀血タイプが控えたい食べ物・飲み物
- 瘀血タイプにおすすめのお茶・飲み物
- ツボ・カッピング・鍼灸について
- 生活養生のヒント
- 女性と瘀血について
- まとめ
1. 瘀血とは?読み方は?
瘀血は「おけつ」と読みます。
中医学における体質分類のひとつで、体の中の「血(けつ)」の巡りが悪く、滞っている状態を指す考え方です。
血そのものは足りているのに、流れがスムーズでない — そんなイメージです。中医学では、血が体の隅々までスムーズに巡ることで本来の働きを発揮すると考えられています。その流れが滞ると、体のあちこちに「巡りの悪さ」を感じやすくなるとされています。
現代的な言葉でいえば、「川の流れが淀んで、よどみができている状態」をイメージするとわかりやすいかもしれません。
2. 瘀血になる原因
中医学では、血の巡りが滞る原因として次のようなことが挙げられています。
冷え
冷えは瘀血の大きな原因のひとつとされています。体が冷えると血の巡りが悪くなるという考え方は、中医学に限らず広く知られています。
運動不足
体を動かす機会が少ないと、血の巡りも滞りやすくなるとされています。デスクワーク中心の方に瘀血の傾向が見られやすいといわれるのは、このためです。
ストレス・緊張
中医学では「気は血を巡らせる」と考えられており、ストレスで気の巡りが滞ると、それに伴って血の巡りも悪くなるとされています。
食生活の偏り
脂っこい食事、甘いものの摂りすぎ、冷たい飲食物の摂りすぎなどは、血の巡りに影響すると考えられています。
加齢
年齢とともに血を巡らせる力が衰えると中医学では考えられており、年齢を重ねるにつれて瘀血の傾向が出やすくなるとされています。
長引く体調不良
慢性的な不調や、けが、手術後なども瘀血の原因になると考えられています。
同じ姿勢を続けること
長時間のパソコン作業や運転など、同じ姿勢を続けることも血の巡りに影響するとされています。
3. 瘀血タイプに見られる特徴
中医学では、瘀血タイプには以下のような特徴が見られると考えられています。
肌・顔色に関すること
- 顔色がくすんで、暗く見える
- シミ、そばかすが目立つ
- 目の下のクマが気になる
- 唇の色が暗い、紫がかっている
- 肌のキメが粗く感じる
痛み・不快感
- 肩こりがひどい、慢性的に続く
- 頭痛を感じやすい(特に刺すような痛み)
- 腰痛がある
- 体の決まった場所に痛みを感じる
- 関節のこわばりを感じる
体に表れること
- 手足の冷えを感じる
- 足が重だるい、しびれる感じがある
- 青あざができやすい
- 静脈が浮き出て見える
- お腹を触ると硬く感じる場所がある
女性特有のこと
- 生理の血に塊が混じる
- 生理痛が重い、刺すような痛み
- 生理の血の色が暗い、黒っぽい
- 生理周期が乱れがち
※上記は中医学における一般的な考え方です。これらの症状が気になる場合は、医師にご相談されることをおすすめします。
4. セルフチェック — あなたは瘀血タイプ?
以下の項目に当てはまるものが多いほど、中医学では瘀血タイプの傾向があると考えられています。あくまで薬膳を楽しむための参考としてお試しください。
- □ 顔色がくすんでいる、または暗いと感じる
- □ シミやそばかすが目立つ
- □ 目の下のクマが気になる
- □ 唇の色が暗い、紫がかっている
- □ 肩こりや頭痛が慢性的に続く
- □ 体の決まった場所に痛みを感じる
- □ 青あざができやすい
- □ 足の血管が浮いて見える
- □ 手足が冷えやすい
- □ 生理の血に塊が混じる、生理痛が重い(女性の方)
0〜2個: 現時点では瘀血の傾向は少なめです 3〜5個: やや瘀血の傾向があるかもしれません 6個以上: 中医学的には瘀血タイプの傾向が強いと考えられます
※これは中医学に基づく体質の目安であり、医学的な診断ではありません。
5. 舌でわかる?瘀血の考え方(特に「舌の裏」がポイント)
中医学には「舌診(ぜっしん)」という、舌の状態から体質を読み取る考え方があります。瘀血タイプでは特に「舌の裏」を見るのがポイントとされています。
舌の表
- 舌の色が 暗い、紫がかっている
- 舌に 黒っぽい斑点(瘀点) が見られることがある
- 舌の縁に 暗い色のスジ が現れることも
舌の裏(特に重要)
中医学では舌の裏側を見ることで、瘀血の傾向がよりわかると考えられています。
- 舌の裏には2本の太い静脈があります
- この静脈が 太くふくらんでいる、紫色や黒っぽく見える 場合、中医学では瘀血の傾向があると考えられています
- 健康な舌の裏の静脈は、薄いピンク〜紫色で、太すぎないとされています
朝起きたとき、鏡の前で舌をベロッと出して、裏側もチェックしてみてください。
※舌の状態は食事や体調によって変わります。あくまで中医学の考え方としてお楽しみください。
6. 瘀血と他の体質タイプとの違い
中医学にはさまざまな体質分類があります。瘀血と関連の深いタイプとの違いを簡単にまとめました。
| 体質タイプ | 特徴の違い |
|---|---|
| 瘀血 | 血の巡りが悪い。シミ・くすみ・痛み・肩こり |
| 血虚 | 血そのものが不足。肌・髪のパサつき、めまい |
| 気滞 | 気の巡りが滞る。イライラ・お腹の張り・ため息 |
| 気虚 | 気(エネルギー)が不足。疲れやすい・だるい |
| 水滞(すいたい) | 水分の巡りが悪い。むくみ・体が重だるい |
| 陰虚 | 体の潤いが不足。のぼせ・寝汗・ほてり |
中医学では複数のタイプが重なることも多く、「瘀血+気滞」「瘀血+血虚」「瘀血+水滞」のように、2つ以上のタイプを同時に持つことは珍しくありません。
7. 気滞血瘀・血虚+瘀血について
瘀血は、他のタイプと組み合わさって現れることが多いとされています。代表的な2パターンをご紹介します。
気滞血瘀(きたいけつお)
気滞と瘀血の両方の傾向を持つ状態を指します。中医学では「気は血を巡らせる」と考えられており、気の巡りが滞った状態(気滞)が長く続くと、血の巡りも悪くなる(瘀血)と考えられているためです。
気滞血瘀タイプの方には、気滞の特徴(イライラ・お腹の張り・ため息)に加えて、瘀血の特徴(肩こり・痛み・くすみ)が見られると考えられています。
ストレスを感じやすく、肩こりや頭痛も慢性的にある方は、このタイプの傾向があるかもしれません。
血虚+瘀血
血が不足している(血虚)うえに巡りも悪い(瘀血)状態です。
血そのものが少ないと、流れがさらに滞りやすくなると中医学では考えられています。血虚+瘀血タイプの方には、肌のパサつき・めまい(血虚)に加えて、シミ・くすみ・痛み(瘀血)が見られるとされます。
「血虚 瘀血 両方」で検索される方が多いのも、この組み合わせがよく見られるためです。複数のタイプが重なる場合は、それぞれに合った食材をバランスよく取り入れる養生が薬膳では大切とされています。
8. 瘀血タイプに親しまれてきた食べ物
中医学の食養生では、「血の巡りを良くする」と考えられてきた食材があります。薬膳の知恵として長く親しまれてきたものをご紹介します。
青魚
- いわし
- さば
- さんま
- あじ
香味野菜・スパイス
- 玉ねぎ — 瘀血タイプの代表食材として親しまれている
- にんにく
- しょうが
- ねぎ
- にら
- らっきょう
黒い食材
中医学では「黒い食材は血に関わる」と考えられてきました。
- 黒豆
- 黒きくらげ
- 黒酢
- プルーン
赤い食材
- トマト
- 赤ワイン(適量で)
- 小豆
薬膳でおなじみの食材
- サンザシ(山楂子) — 中華圏で「めぐり」をテーマに親しまれてきた代表的な薬膳素材
- 紅花(こうか・サフラワー) — 薬膳茶の素材として親しまれている
- 田七(でんしち) — 古くから漢方でも使われてきた素材
調理のポイント
中医学では、瘀血タイプの方には体を温める調理法が合うと考えられています。
- 生のサラダよりも 温野菜・スープ・煮込み
- しょうが、にんにく、ねぎ などの香味野菜を活用
- 黒酢 を使った料理も親しまれてきた
※薬膳の食材選びは体質の考え方に基づくものであり、特定の疾病への治療を目的としたものではありません。
9. 瘀血タイプが控えたい食べ物・飲み物
薬膳の考え方では、瘀血タイプの方は以下のような食べ物・飲み物の摂りすぎに気をつけるとよいとされています。
コーヒーとの付き合い方
「瘀血 コーヒー」は多くの方が検索されているテーマです。
中医学の考え方では、コーヒーは大量に飲むと体の巡りに影響すると考えられています。瘀血タイプの方は、1日1〜2杯程度にとどめ、できれば食後に温かいまま楽しむのがおすすめです。
「絶対に飲んではいけない」というわけではないので、ご自身の体調と相談しながら適量を心がけてください。
その他、控えめにしたいもの
- 冷たい飲み物・食べ物 — 体を冷やすと巡りが悪くなりやすいとされている
- 脂っこい食事 — 巡りに影響しやすい
- 甘いもの・お菓子の食べすぎ — 巡りを滞らせると考えられている
- 塩分の摂りすぎ — 巡りに負担がかかるとされている
10. 瘀血タイプにおすすめのお茶・飲み物
薬膳の考え方では、瘀血タイプの方には温かいお茶がおすすめとされています。
ルイボスティー
「瘀血 改善 ルイボスティー」は多くの方が検索されているキーワードです。ルイボスティーはノンカフェインで、温めても冷やしても飲める使い勝手の良いお茶。瘀血タイプの方の毎日の一杯としても親しまれています。
サンザシ茶
サンザシは中華圏で古くから「めぐり」をテーマに親しまれてきた薬膳素材。少し酸味のある独特の風味で、薬膳茶の入門としてもおすすめです。
黒豆茶
炒った黒豆を煮出したお茶。香ばしい風味で飲みやすく、ノンカフェインなので時間を選ばず楽しめます。「黒い食材」という薬膳の考え方を取り入れやすいお茶です。
紅花茶
紅花(こうか・サフラワー)を使った薬膳茶。中華圏では血の巡りをテーマにしたブレンドに使われることが多い素材です。
しょうが湯
シンプルにすりおろしたしょうがにお湯を注ぐだけ。体を温める飲み物として親しまれています。はちみつを加えると飲みやすくなります。
ハーブティー
「瘀血 ハーブティー」も検索されているテーマです。ジンジャー、シナモン、ローズマリーなど温かみのあるハーブが瘀血タイプの方に親しまれています。
控えたい飲み物
- 冷たい飲み物全般 — 常温〜温かいものを選ぶのがおすすめ
- コーヒーの飲みすぎ — 前述のとおり、1日1〜2杯程度に
11. ツボ・カッピング・鍼灸について
「瘀血 ツボ」「瘀血 カッピング」「瘀血 鍼灸」など、薬膳以外のアプローチへの関心も多くあります。中医学では古くから様々な養生法が伝えられてきました。参考としてご紹介します。
ツボ
中医学では、血の巡りに関わるとされるツボが伝えられています。代表的なものに血海(けっかい)、**三陰交(さんいんこう)**などがあります。気軽にできる養生として、お風呂上がりに温めながら軽く押してみる方も多いようです。
カッピング・吸い玉
カッピング(吸い玉療法)は中国・中医学で古くから行われてきた施術のひとつです。「瘀血 カッピング ドロドロ」というキーワードがよく検索されていますが、これはカッピング後の皮膚の色から巡りの状態を見るという考え方によるものです。
ご興味のある方は、専門の鍼灸院や中医学の施術院でご相談ください。
鍼灸
鍼灸も中医学の伝統的なアプローチのひとつです。瘀血タイプの方が施術を希望される場合は、信頼できる鍼灸師にご相談ください。
※当店は薬膳・ハーブの専門店であり、施術は行っておりません。施術については各専門院にお問い合わせください。
12. 生活養生のヒント
薬膳は食事だけではありません。中医学では生活全体を通じて血の巡りを意識する「養生(ようじょう)」の考え方があります。
体を温める
冷えは瘀血の大敵とされています。
- 冷たい飲み物より温かい飲み物を
- 夏でも冷房で冷やしすぎない
- 入浴はシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
- 腹巻きやレッグウォーマーで保温
適度に体を動かす
「瘀血 ストレッチ」「瘀血 運動」も多く検索されているテーマです。
- ウォーキング — 1日20〜30分の散歩でも十分
- ストレッチ — 朝晩の軽いストレッチで巡りを意識
- ヨガ — 呼吸とともに体を動かす
- 長時間同じ姿勢を続けず、こまめに動く
ストレスを溜めない
ストレスは気の巡りを滞らせ、それが瘀血につながると中医学では考えられています。リラックスする時間を意識的に作りましょう。
早めに眠る
中医学では夜の休息は血を養う大切な時間とされています。十分な睡眠を心がけましょう。
13. 女性と瘀血について
「瘀血 生理」というキーワードも多く検索されています。
中医学では、女性は月経・出産などで血と深く関わるため、瘀血の傾向が出やすいと考えられてきました。生理の血に塊が混じる、生理痛が重い、生理周期が乱れるといった症状は、中医学では瘀血と関連づけて考えられることがあります。
ただし、これらの症状には様々な原因が考えられます。気になる症状がある場合は、必ず婦人科などの医師にご相談ください。
中医学の食養生は、医療と並行してご自身の体と向き合う一つの方法として、参考にしていただければと思います。
14. まとめ
瘀血とは、中医学における体質分類のひとつで、体の中の「血」の巡りが滞っている状態を指す考え方です。
- 特徴 — シミ・くすみ・クマ、肩こり、頭痛、青あざができやすい
- 舌 — 特に「舌の裏」の静脈が太く紫色っぽい
- 食の養生 — 玉ねぎ・青魚・黒豆・サンザシなど「血の巡りを良くする」とされる食材を取り入れる
- 飲み物 — ルイボスティー、サンザシ茶、黒豆茶、しょうが湯など温かいお茶がおすすめ
- 控えたいもの — コーヒーの飲みすぎ、冷たい飲食物、脂っこい食事
- 生活養生 — 体を温める、適度に動く、早めに眠る
「最近肩こりやくすみが気になるな」と感じたとき、まずは温かいサンザシ茶を一杯。それが薬膳の入り口かもしれません。
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- ▶ サンザシ — 中華圏で「めぐり」をテーマに親しまれてきた薬膳素材
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- ▶ 田七— 粉末を溶かして服用
- ▶ 紅花 — 薬膳茶の素材として親しまれている
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